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弁護士と司法書士との違い

 このページでは、相続放棄を希望する相続人(申述人)に代わって相続放棄の申述手続きを行う弁護士と司法書士にどのような違いがあるのか説明しています。

弁護士と司法書士との外観上の類似性

 弁護士も、司法書士も、申述人に代わって、戸籍全部事項証明書など提出必要書類を収集し、相続放棄申述書を作成するなど、相続放棄の申述に必要な行為をすることが法律上認められています。
 なお、行政書士が相続放棄の申述に必要な行為をすることは法律上認められていません。

弁護士と司法書士との権限における根本的な相違点

 しかし、そうした行為をする権限に着目した場合に、弁護士と司法書士との間には根本的な違いが存在しています。
 すなわち、弁護士は、申述人の代理人として行為をしているのに対して、司法書士は、申述人の書面作成補助者として行為をしているに過ぎません。
 司法書士が相続放棄の申述を申述人の代わりに行うことを「代行」といい、「代理」とは決していわないことには理由があるのです。

弁護士と司法書士とではできる行為に違いあり

 上記の権限の違いから、代理人である弁護士と書面作成補助者にすぎない司法書士では、できる行為の範囲に違いがあります。
 その違いは、以下の表のとおりです。

※相続放棄に関して弁護士と司法書士のできる行為の違い
 ○:弁護士・司法書士の固有名義でできる行為
 △:司法書士の固有名義ではできないが、代行行為として可能な行為
 ×:司法書士が代行行為としてもできない行為

行為の内容弁護士司法書士
相続放棄に関する相談業務
戸籍等の必要書類の収集
相続放棄申述書の作成
必ず申述人の署名押印が必要
上申書の作成
弁護士名義の報告書で代替可

必ず申述人の署名押印が必要
申述書等の家裁への提出
申述人名義での行為
書類の提出代行は可
家庭裁判所からの照会先×
照会先は申述人
上記照会に対する回答×
回答は申述人が行う
相続放棄受理通知書の発送先×
通知書の発送先は申述人
相続放棄受理証明書の交付申請
申述人の署名押印必要
申請書の発送代行は可
申述受理後の債権者対応
とりわけ債権者からの訴訟対応

申述人本人が行う
通知書の発送代行は可
訴訟対応に多くの困難あり


申述人を本当の意味で「代行」できるのは弁護士だけ

 上記の表からも明らかなように、司法書士に相続放棄の申述手続きの代行を依頼した場合には、裁判所からの照会は依頼人である申述人本人が受け取り、申述人本人が自らそれに対して回答をしなければならないなど、相続放棄の申述手続きのすべてを司法書士に代わりに行ってもらうことはできません。
 反面、弁護士に相続放棄の申述手続きの代理を依頼した場合には、弁護士は申述人本人の代理人として申述人本人が行える行為のすべてを申述人本人に代わって行うことができます。
 すなわち、相続放棄の申述手続きについて、書類の収集・作成から家庭裁判所への提出、さらには相続放棄申述受理通知書の受領、相続放棄申述受理証明書の交付申請やその後の債権者対応まで、申述人本人を本当の意味で「代行」できるのは弁護士だけなのです。